江戸時代、輸送の主力は舟。町には無数の堀割(運河)が張り巡らされました。その姿は、まさにイタリアのベニスのごとく。物だけでなく、人々も、舟を日常の足として使っていたのです。
その水路を小型ボートで巡るツアーができました。
スタートは、深川・門前仲町の黒船橋。今でも数多くの水路が残る深川ですが、江戸時代には、もっとたくさんの掘割が網の目のように巡らされてといいます。
時代小説『鬼平犯科帳』の原作者として今でも人気が高い池波正太郎も、この深川を舞台に、多くのストーリーを書きました。彼は深川について、
深川は、江戸の水郷といってよく、掘割が縦横にめぐっていて、「当時の深川は、イタリーのベニスに匹敵する」などという人もいる。(「座頭・徳の市」より引用)
と語っています。
黒船橋を出た舟は、大横川から隅田川を渡り、日本橋川へ。その名の通り、日本橋をくぐるこの川は、江戸時代、物流の要でした。
舟は、日本橋川から神田川へ。お茶の水に入ると、東京の中心部とは思えない深い谷の中を進みます。
屋形船が並ぶ浅草橋を通り抜ければ、クルーズはいよいよ終盤。再び隅田川に出た舟は、門前仲町の黒船橋に到着して、ツアーは終了です。
普段はなかなか見られない、水の上から見た江戸東京を、このツアーで味わってみてはいかがでしょうか。